私のダンチ・ライフ「泉北ではじめる自分らしい暮らしかた」

地域と共に0歳から100歳まで。茶山台で改革を続ける秋祭り

わたしのダンチライフ
2025.01.29

団地にまつわるストーリーを、泉北エリアの情報誌をつくる『RE EDIT〈リ エディット 〉』編集部が、2022年6月よりお届けする「わたしのダンチ・ライフ」。

今回は、茶山台団地から一番近い近隣センターで行われる秋のお祭りを、編集部の山田が訪ねました。

茶山台近隣センターで毎年秋に行われている「CHAYA FES(チャヤフェス)」。主催となる地域密着型特別養護老人ホーム「グランドオーク百寿(注1)」や「泉北園百寿荘(注2)」「OAKカフェ(注3)」のスタッフさんとともに歩む地域活動の様子や、コロナ禍でのイベント開催の裏側を2023年の記事で紹介しました。

昨年4年ぶりに、コロナ前と同じような対面形式でのイベントが復活し、今年も大いに盛り上がりを見せました。

今年の開催は10月26日。茶山台エリアでは、「茶山台としょかん(注4)」で恒例となっている「ハロウィン仮想避難訓練」が開催されないということで、「CHAYA FES」の方でハロウィンを兼ねる初の試みとなりました。

「CHAYA FES」といえば、今回に限らず、毎回異なる挑戦をしています。2019年には子どもマーケットをしたり、2023年には防災を絡めたサーキットスタンプラリーをしたり、ビンゴ大会をしたのが大当たり。秋とは思えない寒さで雨も降りしきるなか、ビンゴタイムにはたくさんの地域の人々が集まり、屋根のある「OAKカフェ」の駐車場が大盛り上がり。寒さを吹き飛ばすほどの熱気でした。

今年は天候に恵まれ、開始時間から思い思いのコスチュームを身にまとった人たちが集まりました。

会場では、公社茶山台団地で活動している「茶山台としょかん」「やまわけキッチン(注5)」「DIYのいえ(注6)」「団地ライフラボat茶山台(注7)」が勢揃い。UR茶山台団地からはMUJI✖️URのプロジェクトからワークショップの出店もあり会社の垣根を超えて、地域という共通言語で協力し合う姿が印象的でした。

そのほか「OAKカフェ」の内外、隣接する「泉北園百寿荘」の駐車場では近隣センター内の郵便局や整骨院が出張出店されていました。

イベント開催時間になり、まずはおなじみの開催宣言。「グランドオーク百寿」の総括が開催におけるルール説明やスタートの合図を行います。長年泉北園の園長をされていた中辻さんは、心を掴むのが上手で、引き込まれる司会ぶりもこのイベントの醍醐味です。

出店しているのは、「グランドオーク百寿」の入居者さんや、「泉北園」の元保育者、「OAKカフェ」で働くスタッフの親族など、それぞれの施設を運営する社会福祉法人よしみ会とつながりのある方や茶山台に縁のある方々。

手先の器用な老人会の皆さんが小物を作ったり、老舗印刷会社さんはグリーティングカードを販売したり、元保育者の方は子ども向けのワークショップを開催したりと、小さな子どもたちは夢中になって遊び、ご高齢の方たちはイキイキと楽しそうにされていました。

地域密着型のフェスならではの、地元のお店の出店もありました。ご高齢の方にも好評だった、たい焼きやどら焼きのほか、近隣の作業所さんが販売する新鮮野菜が飛ぶように売れていました。2年連続で日本料理店の本格的な料理がお手軽に味わえるブースもあって地元民にはうれしい限り。

地元の少年野球チーム「茶山台エンゼルス」や、最寄りの大学であり、施設とも関係性の強い「大阪健康福祉短期大学」の学生さんも張り切って出店。外国人留学生の方が作る、日本では見慣れないフードの提供もありました。

「OAKカフェ」の中では、普段の落ち着いた雰囲気からガラリと変わって、一気にパーティームード。いつもの場所なのに、仮装をすることで心が高揚するのが不思議ですね。

カフェの室内では、介護美容のケアビューティー体験が年齢問わず大人気。リラックス効果のあるハンドトリートメントや、爪に優しいネイルカラーに子どもたちも興味津々。

中でも人気だったのが、堺市の職業講和もされているというeスポーツの会社が提供するゲームコーナー。子どもたちの母親が「泉北園」の元保育者で、久しぶりの再開でも意気投合。幼少期に培った友情が、距離感を一瞬で埋めてくれました。

イベントも佳境を迎え、近隣センターの野外ステージでは仮装ショーが始まります。審査員がOKを出した参加者には、お菓子をプレゼント。司会の中辻さんが、一人ひとりに衣装のポイントや意気込みをインタビュー。小さな子どもから高齢の方までがステージの上に立ち、初めて大勢の人前に立ったという人もきっといたのではないでしょうか。

また、社会福祉法人よしみ会のスタッフさんたちが本格的な仮装をされている姿に、イベントにかける熱量を感じました。

クライマックスはビンゴ大会。各出店者が用意した景品のほか、ブランド和牛やビーズクッションなどの人気景品、昨年に続きディズニーランドのペアチケットを懸けて会場の盛り上がりは最高潮に。

今年も目玉景品が最後の方に当たるというドラマがあり、大盛況の中、幕を閉じました。

会場では、茶山台小学校の卒業生が自身の年代をマークするためのボードも設けられていて、10代から50代の方が来場されたことが分かり、久しぶりの再会に喜ぶ顔や、長年住んでいるけど初めて訪れた方など総勢700名の、さまざまな思いが集結した1日となりました。

【注釈】

注1)社会福祉法人よしみ会 グランドオーク百寿
堺市南区茶山台にある、地域密着型特別養護老人ホーム。「ちゃやフェス」に代表される地域住民さんと共同で行うイベントなどさまざまな地域活動を行う。建物内のカフェでは、入居者さんと同じ健康に配慮されたメニュー「オークランチ」が人気の商品。

http://www.grand-oak.jp/

 

注2)泉北園百寿荘

保育園と特別養護老人ホームを同じ施設内に建設した複合施設。

 

注3)OAKカフェ

管理栄養士が考案した定食メニューや、バリスタが入れるコーヒーを楽しめるカフェ。茶山台団地の近くにある地域密着型特別養護老人ホーム「グランドオーク百寿」が運営する施設。入所者だけでなく、一般の方にもオープンなスペースにすることで、老若男女が集うにぎやかな風景が生まれている。近隣住民が運営に参加するマーケットスペースや、学校帰りの子どもたちが毎日のように集まる駄菓子コーナーもある

堺市南区茶山台3-22-11(グランドオーク百寿1F)

072-291-0222

※営業状況など詳しくはインスタグラムでご確認ください

 

注4)茶山台としょかん

茶山台団地内であまり使われていなかった19棟集会所で始まった、本を介したコミュニティースペース。

団地住民はもちろん、誰もが自由に参加できる。平日の午前中は近隣マダムの憩いの場で、午後は小学生が宿題をしたり、土曜日の午前中は未就学児連れの親子が遊びに来たりと、時間帯によってバラエティに富んだ表情を見せる。

開館:水の13:00~17:00、金・土の10:00~17:00(12:00~13:00は閉館)

※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

 

注5)やまわけキッチン

茶山台団地21棟の1階にある1室で営む、旬の食材を使った手作り惣菜が好評のお店。

“ 丘の上の総菜屋さん ”という枕詞通りの高台の立地で、1階ながら眺めは最高。

物理的にも精神的にも様々なことを山分けて、関わる人みんなの幸福度を上げる地域のよりどころでもある。

営業:月・火・金・土の11:00~15:00

※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

 

注6)DIYのいえ

茶山台団地16棟の1室(正確には4室に至る)にあり、初心者でも安心してDIYの体験や相談ができるワークスペース。あらゆる工具が揃い、誰でも無料で使用できる。DIYの達人がサポートしてくれるので、手ぶらでまずは行ってみて。

営業:土・日の10:00~17:00

※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

注7)団地ライフラボat茶山台

2022年7月に、30〜40代の団地住民が中心になって立ち上げたNPO法人。少子高齢化が加速する団地に対して、地域の声・困り事をみんなのアイデアで解決する環境を作り、暮らしの身近な存在として、こまやかな対応をしていくことで、住民一人一人がその人らしい暮らしができる「日本一多様な幸せが実現できる団地」づくりに寄与することを目的としている。

 

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