私のダンチ・ライフ「泉北ではじめる自分らしい暮らしかた」

ニコイチとこれからも、茶山台団地で家族にフィットした暮らしを

わたしのダンチライフ
2024.08.30

団地にまつわるストーリーを、泉北エリアの情報誌をつくる『RE EDIT〈リ エディット 〉』編集部が、2022年6月よりお届けする「わたしのダンチ・ライフ」。

今回は、団地の一室にお住まい だった際に取材させていただいた前野美香さんを、編集部の山田が再度訪ねました。

以前の記事はこちら(前編後編

限りあるスペースでもきれいに整頓された室内は、団地暮らしのお手本としてInstagramで人気を博し、整理収納の分野では書籍にも掲載された前野邸。

近隣の市から茶山台団地のある堺市に引っ越されて、住み心地や周りの人の温かさに心引かれ、ずっと茶山台に住みたいからこそ、手狭になった家から茶山台を離れることなく、もう少し広い住まいへの引っ越しを検討されていました。

「男の子3人を育てるには少し狭いけれど、茶山台は出たくない」そんな美香さんの条件にぴったりフィットしたのが、2022年度の「暮らしを豊かにする『おもや』と『はなれ』」をコンセプトとしたニコイチでした。

「興味本位で良いな〜と思って見学に行ったら、私も夫も気に入って。倍率が高いので入居できないかもしれないけど 応募してみました」

実は以前にも何度 もニコイチには応募していたものの一度も入居が実現 せず 、今回も職場に休憩をもらって電話をしたけれどつながらず15分で募集が終了してしまったそう。すっかり諦めていたら「夫が申し込みできていたんです 」と満面の笑みで教えてくれました。

今の住居のお気に入りポイントは、仕切りが少なく開放感があること。壁にナチュラルカラーのクロスが張られていて雰囲気も良かったこと。

そして、前の住まいでも決め手となった、ダウン症の次男が学校に通いやすい立地だったこと。ベランダから、緑道を通る子どもを毎朝お見送りできるのも嬉しいポイントです。

普段は幼稚園教論として働く、キャリアママの美香さん。引っ越し当日は勤務する園の卒園式だったそうですが、2トン積み切りのトラック1台で、前野さんなしで引っ越しが完了したエピソードに、普段から厳選された物だけで、家族みんなが物の所在を認識していることがうかがえます。

それだけではありません。

なんと、前の家に比べると約2倍近い広さになったのに、引っ越しに際して購入したのが主寝室用の薄いレースのカーテンを2枚と、子ども部屋のカーテン1枚、照明1個に、パーテーション1組のみ。

新居に入れる家具など一新したくなると思いがちですが、ほぼ全てが以前使っていたもの。それなのに長く使っているとは思えない新鮮さがありました。

「一つだけ残念だったのが、お気に入りの食器棚がダイニングに入らなかったこと」だそうで、前回紹介した「R・U・S(ラス)」のユニットシェルフが、今の家の間取りでは入らず、分解して棚の本体は納戸の奥で上手に利用されています。

そして、引き出し部分は、作り付けの棚の中にシンデレラフィットしなかったので、前野家の家具を手がける職人さんに、端を2mmほど削ってもらい、無事にピッタリと収まりました。

ハード面はとても気に入っている様子がうかがえましたが、家族の皆さんの生活に変化はあったのでしょうか。

玄関が2カ所あり、ベランダを通じ行き来するセパレートタイプのニコイチなので、片側がキッチンと主寝室、片側が家族のリビングとお風呂や洗濯などの水回りと子ども部屋になっています。

夜になるとみんなが主寝室のある部屋に行き、高校生の長男は自室にベッドがあるので一人暮らし気分が満喫できて、とても心地よさそう。

年頃なので、誰にも邪魔されずに夜を過ごせるのは心身の成長にもプラスに作用しそうです。

次男と三男は、長男の部屋の向かいに子ども部屋として2人が共同で使うスペースがあり、机は一つ。

それでも一人がピアノの椅子を持ってきて肩を並べて宿題をしたり、一人が机を使っていたら、もう片方はクロークスペースにある板をテーブルにして勉強をしたりと、空間をフレキシブルに使っているようです。クロークスペースの板は、来客時のテーブルとしても活躍。

とりわけ三男は、お兄ちゃんたちが留守の間にお友達を呼んで、同世代の友人同士で思いっ切りゲームをしたり自由に部屋で遊べるようになったりしたのが嬉しいそう。次男もゲームをするなどリラックスできるお気に入りスペースです。

夫は、夜勤明けで日中休みたい時など、子どもたちから離れた場所で休息できるのがセパレートニコイチの利点だといいます。

美香さんは広くなった家でほとんど座る時間がないほど、忙しく掃除をするなど何かと動いているそうですが、大好きなピアノを近隣の子どもに教え始め、ちょっとしたピアノ教室を開けるようになったのが以前の家との大きな違い。

この部屋をプランニングしたデザイナーさんが思い描いた通り「趣味が日常に彩りを添えるような暮らし、人々が心から楽しいと思える住まい方」がまさに実現されていると感じました。

取材終盤に、三男がベランダから帰宅。2カ所玄関のある前野家ですが、必ず食卓のある方の玄関で出入りするように決めているんだとか。「行ってきます」と「ただいま」を顔を突き合わせて言うことを習慣にしていると教えてくれました。程よい距離感を保ちつつ家族のぬくもりも感じられるこのニコイチに、家の理想像を見た気がしました。

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