私のダンチ・ライフ「泉北ではじめる自分らしい暮らしかた」

「団地で、より豊かな生活に」~後編~

わたしのダンチライフ
2022.12.16

団地にまつわるストーリーを、泉北エリアの情報誌をつくる『RE EDIT〈リエディット〉』編集部が、2022年6月より全10回お届けする「わたしのダンチライフ」。

後半では、前半で紹介したお部屋の収納をさらに詳しくみていきます。

まずは、部屋の中でも一際目をひいていた、美香さんオススメの「R・U・S」のユニットシェルフ部分。キッチン&ダイニングスペースの花形でもある、大きな食器棚をどのように使っているのでしょうか。

 

食器棚の収納ポイント
・使用する人の背丈に合わせた位置に必要なものを置く
・生活スタイルに合わせた数を用意

オープンな棚に配置するものは見えても可愛いものを厳選。夫の趣味であるコーヒー関連は、背丈に合わせて高い位置に置かれています。

家電製品の下にある引き出しには、スプーンもお箸も全てが5セット、家族の人数分がきちんと揃えられていました。かなり低い位置に感じられますが、子ども達が自分で食事の支度ができるように配慮されています。カトラリーの横にはランチョンマットがもちろん人数分、綺麗に置かれていました。

来客用や、普段使わない食器類などは、開ける頻度の少ないシンク上の棚に入れているそうです。

引き出しの収納ポイント
・よく使うものだけを厳選
・細かくラベリング
・一つで何役もする便利グッズに頼ることも

美香さんにおける整理術の、真骨頂とも言える引き出し収納でも、「必要なものを必要な分だけ」厳選されています。同じ大きさの引き出しが、押入れの中にぴっちりと並んでいるのですが、どれも整頓されているので、探す時間がなくノンストレスな生活が垣間見れます。

“薬”の引き出しには、軟膏や絆創膏など“緊急ですぐ使えるもの”がスタンバイ。普段使わない湿布や包帯などは、まとめて蓋つきの箱に入れてあるそうです。

“コンセント”の引き出しは、「これは何のコードだっけ?」と思い出すための無駄な時間を省くことにも有効な、名前のラベルが一つ一つに施されていました。

ビデオ、カメラ、モバイルバッテリー、携帯などの充電器が主だそうですが、それにしても少ないですよね……

“文具”の引き出しで驚きだったのは、ハサミが一本だったことです。家中のハサミが1本しかないわけではなく、このゾーンはあくまでも緊急用。すぐに使いたいレギュラーメンバーが選別されているので、大きなハサミは“梱包材料セット”の箱に入っているそうです。

“文具”の引き出しには、ペンも最小限。このスペースに入れるために、1本で12色入りの多用途ペンをわざわざ購入されたんだとか。

“種類別”でなく“用途別”に分類することで、物の定位置に説得力が増す気がしました。

続いては、団地の種類によっては大きく差がある玄関部分ですが、美香さんのお宅のように、まるでシューズクロークのように大容量の玄関収納があるタイプのお部屋には、ヒントがたくさん詰まっているのではないでしょうか。

玄関収納のポイント
・よく使うものは下、使わないものを上に
・“持ち出せる”がキーワード
・収納スペースを有効活用

上部5段の横板は、ご自身で付ける高さと奥行きを綿密に考えてDIYしたオリジナル。

現状見える一番上の段には、美香さんの革靴があり、その下はシーズン靴になります。下の2段には夫の靴が並び、よく見ると奥行きが上2段は約27㎝、下2段は約36㎝と靴のサイズに合わせて変えられています。

写真上では見えない、天袋部分に一番上の段が設けられ、そこには趣味の登山靴や膝までのロングブーツ、長靴、箱に入れた子どもの発表会用の革靴など滅多に使わず、かつ嵩張るものが置かれているので、それらが取り出しやすく、圧迫感が少しでも減るようにと、横板の奥行きが考慮されているのです。

DIYしていない元々の靴箱部分には、3兄弟の靴と、夫婦の普段使いの靴が入っていました。奥行きを生かし、見た目の二倍は収納されているそうです。

その下の引き出しには、靴のメンテナンスグッズや来客用、携帯用スリッパが入っていました。

右側は高さも有効活用し、傘立てがシンデレラフィットしており、雨の日はそのまま外に傘立てごと出せるので便利だそうです。

他にもハシゴや、工具セット、自転車の空気入れなど外で使いたいものがスッと出せるように置かれていて、家の中でも理にかなったポジション取りがなされていました。

最後に、美香さんに、団地で少しでも広く快適に過ごすコツを聞いてみました。

団地で広く過ごすコツ
・襖を取る
・一つ買えば、一つ手放す
・押入れ収納の有効活用

一番に教えてくださったオススメは、前野家でも実践されている、外せる襖は全部外す!

意外と外していない方が多いそうで、外した襖は別の場所に保管するなど、一工夫必要ですが、得られる開放感は絶大です。

また、意識的にすぐにできることで、「一つ買えば、一つ手放す」ことも有効です。美香さんも、戸建てに住んでいた時には膨大にあった収納スペースにパンパンに物が詰まっていた、と仰っていましたが、団地に引っ越しをして、住居に収納できる分以外は手放されたそうです。

その中で廃棄した物はわずかで、ほとんどがリユースに回されたんだとか。

スペースに限りがあると思われがちな団地ですが、収納部分は昔ながらの押入れであることが大半。収納ケースのサイズをスペースに合わせたり、よく使う物は前、使わない物を奥にしまうなど、奥行きの広さを存分に生かすことで、収納力は飛躍的に上がるそうです。

「自分ではやり方が分からない」という方は、美香さんのような専門のアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。

そんな美香さんの人となりや普段の団地暮らしの様子が分かる記事が、南海電気鉄道が配布しているフリーペーパー『NATTS』内の「Blue Liner」のコーナーにて公開中。電子版はコチラからhttp://www.semboku.jp/blueliner/

家の全体像は前半をご覧ください。

「団地で、より豊かな生活に」〜前編〜はこちら

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