「“子ども芸術家”たちの想像力を育む家」~後編~
団地にまつわるストーリーを、泉北エリアの情報誌をつくる『RE EDIT〈リ エディット 〉』編集部が、2022年6月より全10回お届けする「わたしのダンチ・ライフ」。
第4回目は、同じ団地に住む岡本が、生後7カ月の娘を連れて取材に行ってきました。私を含めた団地ユーザーにとって憧れでもある茶山台団地「ニコイチ」に、この春越してきたご家族のリアルな日常をご紹介します。
今回は、「“子ども芸術家”たちの想像力を育む家」の後編です
家族のお気に入り
子どもたちもパパ、ママも「ココ」という場所にこだわらず、その日の気分や、やりたいことによって好きなことができる自由度の高さが今の暮らしで気に入っているところなのだそうです。
様々な場所にテーブルや椅子、作り付けのテーブルがあるおかげで好きな場所を選んで遊んだり、仕事ができる間取りで、パパが在宅ワークで集中したいときには、みんなが居るお部屋から場所を移して取り組むことも可能になっています。「自分で選ぶ」暮らしは、想像力や創作力、仕事意欲まで上がりそうです。
「子どもたちとも、一人でぼーっとでも。夕日を眺めるのが好きなんです」と、バルコニーの外へ出てMさんが教えてくれました。
その足元にある大きな水瓶には、メダカが悠々と泳いでいます。
他にもシルバニアファミリーの小さなお洋服が干してあったり、水遊び用のおもちゃがお行儀良く並んでいたりと子どもたちが安心して遊んでいる様子が伺えます。
通常の二倍の広さものバルコニーには、単なる移動通路という役割だけではなく、子どもにとっては遊び場に、大人にとっては鑑賞物を慈しむエリアになるのだと、新たな使い方を学ばせてもらいました。
「子どもたちやパパが気に入っているのは、この窓からの眺めです」とMさん。
広い青空が見える窓の前には長方形のテーブルと椅子があり、外を眺めながら子どもは遊びを、大人は仕事をしているそうです。窓からの眺めは団地内で共通でも、ひとつひとつのお家で違いがありますね。
有孔ボードの壁も多用していて、荷物や帽子などの物を掛けやすいことはもちろん、子どもたちの使い方が無限大。刺さっている割り箸の作品は「花火」なのだそう。
ワタシの使い方
その日の気分によって選んだ場所で、趣味の刺繍や読書をして過ごすこともあるのだとか。ダイニングにも子どもたちの作品がかわいらしく飾られています。
ボタニカルモチーフの刺繍で彩られたスモック。趣味の領域とは思えないほど鮮やかな腕前です。
そして、筆者の家のスペースでは置けないであろう、大きな本棚が。子どもたちの絵本からパパやママのお仕事関係の本までずらり。子どもたちは絵本が大好きだそうで、まだまだたくさん置けそうです。
ダンチ暮らしの楽しさ
前に住んでいたまちでは「公園は休日に行くところ」というイメージだったそうですが、今では平日の夕方に遊びに行くこともあるそうです。徒歩圏内に、マルシェを開催している公園や、遊具が充実している公園を始め、駅や買い物ができる場所がすぐ近くにあることに便利さを感じています。
そして、団地内には、やまわけキッチン(注1) 、DIYのいえ(注2) 、茶山台としょかん(注3) といった様々な取り組みをしている場所があるので、遊びに行くのも楽しみなのだそう。
団地の良さを伺ったところ、「いつでもゴミを捨てられる便利さが素敵!」とダストボックス(注4)の存在に感動されていました。また印象的だったのが、暮らしの安心感。人通りや、沢山の部屋の灯りが見えることで、人の気配がいつでも身近に感じられることが、心の安らぎにも繋がっているのです。
暮らし始めて数カ月。お家はまだまだ活用できていない場所があり「天井にフィットするかわいいライトを見つけたり、一人で座れるソファーを置いて、くつろげる場所も作ってみたい」とMさん。お家の周りをもっと散策して子ども達と一緒に遊ぶことにもワクワクしているそうです。
今回のニコイチ取材では、同じく団地住まいのカメラマンと二人で「うちの家だったらここは何だったかな?」と言いながら、生まれ変わった間取りを比較しつつ拝見させていただきました。
茶山台団地の立地を活かした明るくて風通しの良いMさん宅に感心しながら、何より心弾んだのは、あちこちで過ごせる自由度の高さ。場所を限定せずに遊びや作業ができるように工夫された空間作りは、ニコイチの広々とした専有面積の特権であり、このお家の間取りの面白さなのではないかと思います。ますます「色々な方のダンチ・ライフを取材してみたい!」と思った筆者でした。
【注】
1)「茶山台としょかん」
茶山台団地内で使われていなかった19棟集会所で始まった、本を介したコミュニティスペース。
団地住民はもちろん、誰もが自由に参加できる。
会館:水の13:00~17:00、金・土の10:00~17:00(12:00~13:00は閉館)
※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください
2)「DIYのいえ」
茶山台団地16棟にあり、初心者でも安心してDIYの体験や相談ができるワークスペース。あらゆる工具が揃い、誰でも無料で使用できる。DIYの達人が手取り足取りサポートしてくれる。
営業:土・日の10:00~17:00
※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください
3)「やまわけキッチン」
茶山台団地21棟の1階にある、旬の食材を使った手作り惣菜が好評のお店。
物理的にも精神的にも様々なことを山分けて、関わる人みんなの幸福度を上げる地域の拠り所でもある。
営業:月・火・金・土の11:00~15:00
※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください
4)ダストボックス
紹介されている団地では24時間の使用が可能ですが、スマリオの団地・棟によってダストボックスの使用方法は異なります。