私のダンチ・ライフ「泉北ではじめる自分らしい暮らしかた」

7棟集会所をフルリノベーション!団地でこれからの時代にフィットした新たな試みが始まります

わたしのダンチライフ
2025.04.24

団地にまつわるストーリーを、泉北エリアの情報誌をつくる『RE EDIT〈リ エディット 〉』編集部が、2022年6月よりお届けする「わたしのダンチ・ライフ」。

今回は、茶山台団地で子どもの習い事の場所として親しまれてきた7棟集会所が、新たに「泉北で働く世代がホッとできる居場所」として生まれ変わる様子を取材してきました。

これまで茶山台団地では、高齢者に向けた買い物や食事支援、健康面のフォローをはじめ、小さい子どもを持つ家庭の支援などを行ってきました。その中で、働く世代への支援不足が浮き彫りとなり、7棟集会所のフルリノベーションに踏み切りました。

茶山台団地の集会所といえば、19棟の「茶山台としょかん」が知られていいますが、今回フルリノベーションされたのは19棟集会所から大蓮公園側に向かって階段を下りると見えてくる、学習塾や習字など、学びの場として長らく住民に親しまれてきた場所です。茶山台2丁のバス停のすぐ近くにあり、泉ケ丘駅からのアクセスも良く、団地住民以外の方も来やすい立地です。

2024年の12月に始まった解体作業で、仕切りになっていた壁と和室部分の天井が取り外され、広い空間が現れました。大きなキッチンや木製のカウンター、小上がりが新たに設置され、以前の集会所で使用していた扉や障子の木枠も室内で再利用されていました。

内装が終わり照明が入ると、まずは大掃除ワークショップが開催されました。住民さんと一緒に粉じんを掃いたり、掃除機で吸い取ったりしていきます。ガラスに付着した粉じんまできれいに拭く作業を3日間かけて行いました。外では雪がちらつくほどの寒さでしたが、黙々と作業は続きます。

掃除が一通り終わると次は、蜜ろうワークショップを2日間にわたって実施しました。ミツバチの巣を原料にした自然由来のワックスは、環境にも人にも優しいのがうれしいところ。木材に塗布することで表面に皮膜を作って保護ができ、家具やフローリングなどの仕上げとして、つや出しやはっ水の効果も得られるそうです。細かい部分まで丁寧に塗り込んでいきます。

他にもキッチンの壁をDIYのいえスタッフの方々の協力を得てペイントするなど、自分たちの手で作業することで住民の皆さんがより愛着を持ってこの集会所を使うための仕掛けが場所づくりの最中から盛り込まれていました。

2月23日のよく晴れた朝、フルリノベーション後のオープン式典が開催されました。たくさんの関係者が集う中、団地ライフラボat茶山台代表の池田さんの「『感謝の気持ちを伝えたい』という思いで今日は来ました」というあいさつが印象的でした。10年20年とますます発展していくためには皆の力が必要で、茶山台でいろいろな活動をしている人たちの協力が不可欠だと締めくくっていました。

茶山台自治連合協議会の真狩さんからは50年前の茶山台団地のお話があり、「当時はよその子もうちの子みたいに育ててくれる近所の人たちに本当に助けられました。この集会所が50年前のような憩いの場になれば」と思いをはせておられました。

堺市社会福祉協議会、スマリオ泉北センター、南海電鉄の方々からも次々とエールが送られ、その後にはテープカットが、続いてくす玉が見事に割れて歓声が沸き起こります。

この日初めてお客さんが入った7棟集会所では、クラウドファンディングで支援したたくさんの人が軽食を楽しんでいました。子どもたちが蜜ろうを塗った場所を教えてくれて、親御さんは「近いしお茶をしに来ようかしら」と楽しそうなご様子。来場者の中でインタビューを受けていたのは、夢だったお店を集会所内で始める原さんです。

「自営をするにはハードルが高いけれど、週に1回だけお店をしてみたい」など気軽に挑戦できるバックアップ体制のあるシェアキッチンがあるのも大きな特徴です。

3月4日。朝から雨が降り、まだ肌寒いこの日は原さんが1年間研究したという自家製酵母のドーナツやこだわりのドリンクがいただける「googoo(ぐーぐー)」のオープン日でした。

ご実家の農家で、お餅つきの時に使用されていたという“もろぶた”には繁次郎の文字が。ご年配の方が見たら懐しく思って話の糸口になるのではないでしょうか。“もろぶた”の中にはドーナツだけでなく、同じく自家製酵母を使用したスコーンの姿も。プレーン、チョコ、金柑×シナモンの3種類があり、どれもリピートしたくなるおいしさでした。

原さんだけでなく、日替わりで様々な方がこの場所でお店を開きます。米粉と発酵おやつのお店「cocoti」やグルテンフリー米粉パンのお店「Kipumu」のほか、夜にたこ焼きを焼く会が行われたり、子ども食堂やお話会が開催されたりと、多目的に利用できる場所として運営される予定だそうです。

年齢に関係なく、多世代がそれぞれ好きなことをしながらつながり、さらには雇用を生み出す場所になるという、今後が楽しみな7棟集会所にぜひあなたも足を運んでみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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