私のダンチ・ライフ「泉北ではじめる自分らしい暮らしかた」

団地内で地域の健康を守る「茶山台ほけんしつ」 〜①ビフォーアフター編〜

わたしのダンチライフ
2024.05.01

団地にまつわるストーリーを、泉北エリアの情報誌をつくる『RE EDIT〈リ エディット 〉』編集部が、2022年6月よりお届けする「わたしのダンチ・ライフ」。

今回は、団地に暮らしてもうすぐ9年目に突入する岡本(RE EDIT編集部ライター)が、このたび新しく拠点を構えた「茶山台ほけんしつ」を約半年間に渡って密着取材してきました。住民さんの声から始まったこちらの取り組み。団地の1室をリノベーションした新拠点ができるまでをご紹介していきます。

まず始めに、「茶山台ほけんしつ」とは?

2018年に茶山台団地の住民を対象に行ったアンケートで、「買い物が遠くて大変」「健康や介護に不安がある」「近隣の医療体制が心配」との声が多く、団地内に健康について気軽に相談できる場所があったらいいなという住民の希望から始まりました。「健康・医療・介護・子育て」がこの場所のテーマです。

「茶山台ほけんしつ」の背景をさかのぼると、団地の集会所内にある「茶山台としょかん」にたどり着きます。2016年、大阪府住宅供給公社と社会医療法人生長会が、地域コミュニティーの活性化や健康寿命の延伸を目的にした「まちかど保健室」を、「茶山台としょかん(注1)」でスタートさせました。

2017年11月から帝塚山学院大学が加わり、2022年10月からは社会福祉法人よしみ会も加わって「まちかど保健室」は定期開催されるようになりました。

相談員がカフェを開いて生活の相談を受ける時間があったり、医師・看護師が医療相談会を開く日があったり、体操教室なども開催されて集会所がにぎわいました。

集会所で開催されていた「まちかど保健室」は、さまざまな不安や悩みを気軽に相談できる場所として団地や地域住民に好評を得て、2023年10月3日、常設化するための新拠点が誕生することになりました。運動ができる広いスペースや気軽にお話できるカフェスペースを併設。場所は「やまわけキッチン(注2)」の隣です。

こちらはリノベーション前の内装。元々は空き家でしたが、床や壁紙、天井をどんどん剥がしていきます。

職人さんたちの手で天井や壁が張られ、室内がどんどん生まれ変わっていきます。

ここは部屋の真ん中に仕切りがあり、キッチンと1室がある場所でした。壁や仕切りを取り払ってひとつの部屋に。

筆者も同じ間取りの部屋に住んでいるのですが、もともと収納だった場所の壁や扉も取り払われていて、全く違う部屋のように感じます。

茶山台ほけんしつのベランダ側からは、緑がいっぱい広がった景色が見えます。リノベーションが始まったのが2023年6月の梅雨時期で、きれいに咲いているあじさいを発見しました。あじさいは毎年この場所に咲くので、雨季の楽しみの一つとなりそうです。

リノベーション開始から約2ヶ月経った8月。内装は出来上がっていました。真っ白い壁や天井が新しさをより強く感じさせて、心まで明るくしてくれます。何より一番に感じたのは「広い」こと!10人ほどなら運動するにも十分なスペースです。

2023年8月8日、この日は住民参加型の内装DIYワークショップがありました。住民の皆さんと一緒に壁やふすま、以前にワークショップであらかじめ製作していた椅子などをペンキで塗っていきます。

続々と集まる住民さんたち。場所づくりから関わることで、オープンした後のイメージや愛着が湧きますね。地域の方々とのつながりが増えて、この場所で新たなコミュニティーが広がっていきそうです。

DIYワークショップがスタート。ふすまが塗られていきます。ペンキを塗る作業はあまり慣れない作業ですので、皆さん真剣そのものです。ふすま紙は、今回のために張り替えられた、塗料がしっかりなじむ特別なものなんだとか。

壁も少しずつ色が付けられていきます。暖色系の色合いで、雰囲気もだんだんと柔らかくなっていきますね。こちらは相談スペースとなる場所。ほっと一息つける空間になりそうです。

同じ茶山台団地で活動されている「DIYのいえ(注3)」の方々がコーチ役として参加していました。そこで「買ったけど使ってない物があって」と持ってきてくれたローラーはなんとクマさん柄。壁を塗りつぶしてしまう前に、試しに塗っていきます。かわいい柄に皆さんの笑顔が溢れます。

ふすまも壁もきれいに塗り終えて完成です。クーラーも大忙しな暑い中での作業でしたが、皆さんわいわい楽しみながら取り組んでおられました。

お疲れ様でした!DIYしてみんなで完成させた新しいお部屋に愛着が湧きますね。オープンの日が待ち遠しいです!オープン以降については、次回に続きます。

 

【注釈】

注1)茶山台としょかん

茶山台団地内であまり使われていなかった19棟集会所で始まった、本を介したコミュニティースペース。

団地住民はもちろん、誰もが自由に参加できる。平日の午前中は近隣マダムの憩いの場で、午後は小学生が宿題をしたり、土曜日の午前中は未就学児連れの親子が遊びに来たりと、時間帯によってバラエティに富んだ表情を見せる。

開館:水の13:00~17:00、金・土の10:00~17:00(12:00~13:00は閉館)

※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

注2)やまわけキッチン

茶山台団地21棟の1階にある1室で営む、旬の食材を使った手作り惣菜が好評のお店。

“ 丘の上の総菜屋さん ”という枕詞通りの高台の立地で、1階ながら眺めは最高。

物理的にも精神的にもさまざまなことを山分けて、関わる人みんなの幸福度を上げる地域のよりどころでもある。

営業:月・火・金・土の11:00~15:00

※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

注3)DIYのいえ

茶山台団地16棟の1室(正確には4室に至る)にあり、初心者でも安心してDIYの体験や相談ができるワークスペース。あらゆる工具がそろい、誰でも無料で使用できる。DIYの達人が手取り足取りサポートしてくれるので、手ぶらでまずは行ってみて。

営業:土・日の10:00~17:00

※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

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