私のダンチ・ライフ「泉北ではじめる自分らしい暮らしかた」

茶山台団地のコミュニティーの魅力が凝縮された団地祭!16棟マルシェ、今年も開催。〜前編〜

わたしのダンチライフ
2023.11.16

団地にまつわるストーリーを、泉北エリアの情報誌をつくる『RE EDIT〈リ エディット 〉』編集部が、2022年6月よりお届けする「わたしのダンチ・ライフ」。

2023年6月3日(土)に茶山台団地16棟の横で開催された「16棟マルシェ」に潜入しました。「わたしのダンチ・ライフ」の第1回でも16棟マルシェについて紹介しましたが(記事はこちら)取材班も前回と同じライター・山田、撮影・福井のコンビで、1年に1度の団地祭に迫ります。

2020年に始まった16棟マルシェ。このイベントを運営するのは、茶山台団地で活動するDIYのいえ(注1)、茶山台としょかん(注2)、やまわけキッチン(注3)の3団体です。その中でも、やまわけキッチン代表の湯川さんを中心に半年前から準備が進められてきました。

今回のテーマは『今ココにいる人・モノ・場所が集まる1日』。ご縁でつながった多様な17ブースが集まり、和やかな雰囲気でイベントが始まりました。

16棟マルシェ出展の常連さんに加えて、初登場の出展者さんも今回は多く見られたので、順番にご紹介していきたいと思います。

ステージのトップバッターで会場を一気に心地良い空気にしてくれたのは「はっぴぃえんど音楽隊」の皆さん。名曲の『糸』に始まり、『乾杯』、『テネシーワルツ』をメローな演奏をバックに優しく歌い上げてくださいました。

キーボード担当でバンドリーダーの坂田さんには、障がいがあるお子さんがおられ、音楽やアニメソングが好きだったことがキッカケでご自身がバンドを結成する事に。出張して多くの人に聞いてもらいたい!と23年前から老人ホームなどを回っているそうです。

歌うことが好きな住民さんが多い茶山台団地にピッタリ!とキャスティングされた意向通り、あちこちで体を揺らしたり、口ずさむ光景が見られました。

優しい音楽を聞きながら歩き進めると、子ども達でにぎわうブースがありました。

桃山学院大学の学生さんと茶山台としょかんがコラボした「昔の写真を集めまし展」です。茶山台団地にまつわる昔の写真を展示して住民さんから意見を伺うことを目的にしているそうです。「どうやって写真を展示しようかと思い悩んだ末に思いついたのが、子どもの頃に楽しくて好きだった遊びです」と学生さんが教えてくれました。

魚釣りならぬ“写真釣り”をして、釣れた写真の裏面に書かれたお題に答えるという仕掛けが大当たり!たくさんのご意見が集まりました。

介護美容の学生さんのブースもありました。介護美容の中には、自由に外出がしにくい方のために、出張で美容施術を行うサービスもあるそうで、この日はネイルとハンドトリートメントの体験ができました。

おしゃれをする事で気持ちが高揚して前向きになれるのは、年齢・性別を問いません。「自分の殻を破ってみようと、一番派手な色にした」という男性のお客さんは、職場の方と一緒に来られていました。

そのお隣の「みんなの保健室」(注4)からは、2ブースが登場。マッサージコーナーではイベント出展者でもある無印良品スタッフさんが、リフレッシュに来られていました。病気の約70%はストレスが原因と言われているそうで、スキマ時間を上手に使って休息を取る事もオススメだそうです。

日常の生活では伝えられない、ちょっとした身体の不安や困りごとなど、医療に精通する専門家が団地住民の相談にのる「ひたすら話を聞くコーナー」も開催。お喋りをするために住民さんが大勢来られ、具体的な解決策が見つかると大好評でした。

一方ステージでは、関西大学の「落語大学」所属のお二人による落語寄席が開催されました。落語大学は、60年の歴史を持ち、桂三枝さんを始め多くの落語家を輩出する名門クラブです。未来のスターを迎えるにふさわしい高座は、DIYのいえの茶山台団地DIYサポーターズ(注5)が、テキパキと作り上げてくれたそうです。

茶山台団地に住む子ども達の中には、将棋や囲碁に関心を示している子がいるので「きっと落語好きな子達もいるはず」という思いや、来場者に笑顔になってもらいたいという願いを込めてお招きしたそうです。
喋家は表情をコロコロと変えて一人何役も演じ分け、観客を魅了していました。

イベント開始から1時間半が経ち、会場の活気はピークを迎えます。

にぎわうブースの中でも、剣や花、アニメのキャラクターを即座に作ってくれるバルーンアートの達人まっちゃんが、今年も大人気。新作の傘は、会場でひときわ目立っていました。

こちらも、瞬く間に材料がなくなるほどの人気ぶりだった、DIYのいえによる廃材を使ったワークショップ。16棟マルシェの立役者でもある茶山台団地DIYサポーターズが毎回無料で提供してくれて、懐の深さを感じずにはいられません。

何をするかの企画会議から、買い出しなどの事前準備、当日の運営まで子ども達が自主的に考えて行動する「茶山台団地2丁1番・2番子ども会」では、射的やオセロと言った、昔ながらの遊びで活気付いていました。

12時には、自称負けなしのオセロの達人が登場し、腕に自信のある挑戦者が列を成していました。

イベントもいよいよ折り返し!後編へ続きます。

〜後編〜はこちら

【注】
1)「DIYのいえ」
茶山台団地16棟の一室(正確には4室に至る)にあり、初心者でも安心してDIYの体験や相談ができるワークスペース。あらゆる工具が揃い、誰でも無料で使用できる。DIYの達人が手取り足取りサポートしてくれるので、手ぶらでまずは行ってみて。
営業:土・日の10:00~17:00
※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

2)「茶山台としょかん」
茶山台団地内であまり使われていなかった19棟集会所で始まった、本を介したコミュニティースペース。
団地住民はもちろん、誰もが自由に参加できる。平日の午前中は近隣マダムの憩いの場で、午後は小学生が宿題をしたり、土曜日の午前中は未就学児連れの親子が遊びに来たりと、時間帯によってバラエティに富んだ表情をみせる。
開館:水の13:00~17:00、金・土の10:00~17:00(12:00~13:00は閉館)
※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

3)「やまわけキッチン」
茶山台団地21棟の1階にある1室で営む、旬の食材を使った手作り惣菜が好評のお店。
“ 丘の上の総菜屋さん ”という枕詞通りの高台の立地で、1階ながら眺めは最高。
物理的にも精神的にも様々なことを山分けて、関わる人みんなの幸福度を上げる地域のよりどころでもある。
営業:月・火・金・土の11:00~15:00
※営業状況など詳しくはフェイスブックでご確認ください

4)「みんなの保健室」
病院・クリニック・施設などの臨床経験のある看護師が、暮らしに寄り添って地域住民をサポートする、新しい形の健康支援の場。

5)「茶山台団地DIYサポーターズ」
「DIYのいえ」で活動するシニアスタッフ。茶山台団地の住民を始め、近隣の住民も参加。大工や消防士など様々な経歴を持つスペシャリストが豊富な知識を元にサポートしてくれる。

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